預貯金が凍結される前に!死後の口座手続きシミュレーション

「もし家族が亡くなったら、銀行の口座はどうなるの?」
身近な人が亡くなった際、銀行口座の手続きは避けて通れません。しかし、「どんな手続きが必要か」「何を準備すればいいのか」を知らないと、スムーズに進めることができません。
本記事では、口座名義人が死亡した後の預貯金凍結とその解除方法、必要な書類や手続きの流れについて、初心者にも分かりやすく解説します。


1. 口座名義人が死亡すると預貯金はどうなる?

死亡後の銀行口座のプロセス」を示すフローチャート。①死亡通知 → ②口座凍結 → ③引き出し禁止 → ④支払い停止 → ⑤相続手続き という流れを視覚的に説明。銀行口座の凍結とその解除手続きを分かりやすく整理したインフォグラフィック。

銀行の口座は、名義人が亡くなったことが銀行に知られると凍結されます
これは、勝手に口座からお金を引き出されたり、相続人同士でのトラブルを防ぐための措置です。

凍結されるとどうなる?

  • 口座からの引き出し・振込ができなくなる
  • クレジットカードの引き落としや公共料金の支払いも停止
  • 相続手続きをしないとお金を引き出せない

たとえば、故人の年金や光熱費の引き落とし口座がそのままだと、未払いの請求が発生することもあります。事前に「銀行口座がどうなるのか」を知っておくことが大切です。


2. 死後の口座手続きの流れ(シミュレーション)

死後の銀行手続き」の流れを示すインフォグラフィック。銀行への死亡通知、必要書類の準備、相続人の確認、遺産分割の話し合い、銀行での手続き、預貯金の払い戻しというステップを視覚的に整理。銀行口座の相続手続きを分かりやすく説明した図。

預貯金の相続手続きは、以下の流れで進めるのが一般的です。

① 銀行へ死亡の連絡

まず、口座のある銀行に「口座名義人が亡くなった」ことを伝えます。
この時点で、銀行側が死亡を確認すると口座が凍結され、家族でも自由に出金ができなくなります。

銀行へ連絡する際に必要なもの

  • 故人の名前・口座番号
  • 亡くなった日(死亡診断書の写しが求められることも)
  • 連絡者(相続人)の氏名と続柄

② 必要書類の準備

銀行の相続手続きには、相続人を確認するための書類が必要です。
銀行ごとに若干異なりますが、主に以下のものを準備します。

基本的な必要書類

> 死亡届の写し(または戸籍謄本)
> 故人の預貯金通帳・キャッシュカード
> 相続人の戸籍謄本(相続人であることを証明するため)
> 相続人全員の署名・押印がある同意書(遺産分割協議書)
> 印鑑証明書(相続人全員分)

>> 遺言書がある場合は、家庭裁判所の検認済みのもの
>> 遺産分割協議書が必要な場合は、相続人全員の署名・実印が必要

③ 相続人の確認と遺産分割の話し合い

銀行は、誰が相続人なのかを確認します。
法定相続人が複数いる場合、遺言書がないと遺産分割協議が必要です。

> 法定相続の優先順位

  1. 配偶者 + 子ども
  2. 配偶者 + 直系尊属(父母など)
  3. 配偶者 + 兄弟姉妹

家族間で相続の話し合いがまとまらないと、銀行の手続きも進みません。事前に遺言書を準備しておくと、スムーズに手続きが進むので安心です。

④ 銀行での手続き・預貯金の払い戻し

相続人全員の合意が取れたら、銀行に必要書類を提出し、預貯金の払い戻しが行われます。
銀行によっては、払い戻しまで数週間~1か月程度かかることがあるため、急な資金が必要な場合は注意が必要です。


3. 口座凍結を避けるための対策

口座凍結を避けるための対策」を示す図。対策として、①共有口座を作る(家族と共同名義の口座を利用)、②現金を確保する(口座凍結時の生活費対策)、③遺言書を準備する(銀行手続きの円滑化)を矢印で整理。口座凍結対策を視覚的に解説したインフォグラフィック。

預貯金が凍結されると、生活費の支払いに困ることもあるため、事前に対策をしておくことが大切です。

>> 家族と共有の口座を作る

名義人が亡くなったとき、すぐに使えるお金を確保するために、家族と共有の口座(夫婦や子どもと共同名義)を作っておくのも一つの方法です。
ただし、相続の際にトラブルになる可能性があるため、どの口座をどう管理するか家族と話し合っておくことが重要です。

>> 少額の現金を手元に確保

口座が凍結されても、すぐに対応できるように数カ月分の生活費を現金で確保しておくと安心です。
特に、高齢の親と同居している場合は、親の口座が使えなくなった時のことを考えておくと良いでしょう。

>> 遺言書を準備しておく

遺言書があると、遺産分割協議を省略できるため、銀行の手続きがスムーズに進みます。
「相続人同士で揉める可能性がある」「複数の口座がある場合」は、公正証書遺言を作成しておくと安心です。


4. まとめ

死後の銀行口座手続き」の流れを示すフローチャート。口座名義人の死亡 → 銀行口座の凍結 → 相続手続きの開始 → 必要書類の提出 → 遺産分割協議 → 事前計画の利点 という順序で、銀行口座の相続手続きを視覚的に整理。スムーズな手続きを進めるためのポイントを解説したインフォグラフィック。
  • 口座名義人が亡くなると、銀行口座は凍結される
  • 相続手続きをしないと、お金を引き出せない
  • 銀行手続きには「死亡届」「戸籍謄本」「相続人全員の同意書」などが必要
  • 遺産分割協議が必要になる場合もある
  • 事前に生活費の確保や遺言書の準備をしておくと安心

「もしもの時に備えて、家族としっかり話し合っておくこと」が何よりも大切です。
預貯金が凍結される前に、早めの準備をしておきましょう!


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