― 認知症看護認定看護師からのお話 ―
こんにちは。終活ガイドのkaoriです。
前回に引き続き、医科大学で開催された認知症に関する市民公開講座の内容をご紹介します。
今回は
「認知症に備えてしておきたいこと」
についてのお話です。
■ 備えの重要性
2040年には、約651万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されています。
つまり、認知症は「誰にとっても身近なもの」。
だからこそ、
認知症に備えること=不安を減らし、安心して自分らしく生きること
につながるのだと感じました。
講座では、備えとして大切なポイントを5つに分けて説明してくださいました。
① 認知症を「知っておく」
認知症とは、さまざまな原因によって脳の神経細胞が傷ついたり働きが低下したりすることで、
記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態のことです。
- 認知症の種類や症状
- 検査や治療の方法
- 予防の考え方
これらを知っておくことで、早期発見・早期対応につながり、予防の第一歩にもなるとのことでした。
② 「認知予備能」を鍛える
「認知予備能」とは、
**脳がダメージを受けても機能を保とうとする“余力・耐性”**のようなもの。
たとえアルツハイマー病の病理があっても、
認知症を発症しにくい状態を保つために大切だそうです。
認知症リスクを下げる「防御因子」
- 教育歴・教育的到達度
- 若い頃の認知機能の高さ
- 職歴・職業的到達度
- 高齢期の就労
- 知的活動・社会参加・余暇活動
- 運動習慣
- 生活習慣病の予防
- 質の良い睡眠
発症リスクを高める「危険因子」(特に影響が大きいもの)
- 聴覚障害
- 教育不足
- 喫煙
- 社会的孤立
- うつ病
前回お伝えした「ナン・スタディ」の修道女たちの生き方やマインドも、
この認知予備能を高めることにつながっているのではないかと感じました。
③ 介護サービスの情報を「知っておく」
いざという時に慌てないためにも、
- 地域包括支援センター
- 市区町村の相談窓口
- 介護サービス
- 民間の生活支援サービス
について、事前に知っておくことが大切です。
特におすすめされていたのが
「認知症ケアパス」。
(2022年時点で約94%の市町村が作成)
私の市ではホームページからダウンロードできましたが、
市役所の介護課で冊子も入手できました。

地域包括支援センターの主な役割
- 介護予防ケアマネジメント
- 総合相談
- 権利擁護(成年後見制度・虐待防止など)
- 包括的・継続的ケアマネジメント
認知症ケアパスに載っている内容
- 認知症の基礎知識
- 症状と経過
- 診断・治療ができる医療機関
- 相談窓口
- 利用できるサービスや支援
④ 介護の方針を話し合っておく
できるだけ本人を交えて、将来の介護について話し合っておくことが大切だと強調されていました。
話し合っておきたい主な項目:
- 在宅介護か施設介護か
- 介護のキーパーソン
- 家族間の役割分担
- エンディングノートの作成
- 暮らし方や嗜好(好きな食べ物・大切な人・続けたいこと・避けたいこと)
- 医療やケアに関する希望
(病気の告知、治療方針、人生の最期の過ごし方など)
⑤ お金について備える
基本は
「情報を集める → 家族と話す → 書き残す」
- 資産状況を共有しておく
- 不要な資産の整理、口座の集約
- 代理人カードの作成
- 家族信託や成年後見制度の検討
- 通帳・カード・印鑑の保管場所の共有
【まとめ】
この講座を通して、
- 認知症の正しい知識を持つこと
- 生活習慣を整え、予防を意識すること
- 情報を集め、環境を整えておくこと
これらが、安心して生きるための大切な備えであると改めて感じました。
また、認知症に備えることは、終活にもつながると思います。
人生の終わりを考えることは、不安を減らし、
「自分らしく生きること」につながるのではないでしょうか。
講座の最後に、看護師の方が
「認知症の方の見えている世界を想像することを大切にしています」
とおっしゃっていた言葉が、とても印象に残りました。
知識や制度だけでなく、
その人の心の世界を理解しようとする優しいまなざしこそが、
何より大切なのだと感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。