【初心者向け】エンディングノートに書くべき医療・介護の希望

~リビングウィルを活かし、延命処置や介護方針を明確に~


1. エンディングノートに「医療・介護」を記す意義

個人の医療と介護の意思決定」を示すインフォグラフィック。意思伝達、家族の負担軽減、個人的な選択、リビングウィル、介護方針の5つの要素が図示され、それぞれの説明が添えられている。

1-1. 不測の事態でも自分の意思を伝えられる

突然の病気や事故で意識を失ってしまうと、自分の治療方針を選べなくなる可能性があります。
しかし、あらかじめエンディングノートに医療や介護の希望を記しておくことで、周囲の方々や医療従事者へ自分の意思を正確に伝えられます。

1-2. 家族への負担を減らせる

「どこまで延命処置をするか」「在宅介護か施設介護か」など、重い判断は家族にとって大きな負担となります。
エンディングノートに具体的な希望を残しておくと、家族が迷う時間や精神的な負担を軽減することができます。

1-3. 自分らしい最期を迎えやすくなる

医療や介護の技術が進歩した今、延命や介護の選択肢は多岐にわたります
あらかじめ「自分はどんなふうに人生を終えたいのか」を考えておき、エンディングノートにまとめることで、最期まで自分の生き方を貫きやすくなるのです。


2. リビングウィルとは?延命処置を考えるための基礎知識

延命処置の選択」を示すインフォグラフィック。天秤の左側には「生命維持装置を希望」「すべての医療処置を希望」「延命処置を希望する」、右側には「生命維持装置を望まない」「医療処置を望まない」「延命処置を望まない」の選択肢が配置されている。下部には「個人の医療の選択を尊重する」というメッセージが記載されている。

2-1. リビングウィルの基本

リビングウィル(Living Will) とは、生前に「終末期を迎えたとき、どのような医療処置を希望するか」を書面で示す意思表示です。代表的な記載事項としては、以下が挙げられます。

  • 延命措置の有無(人工呼吸器、胃ろうなど)
  • 緩和ケア(痛みを和らげるケア)の希望
  • 心肺停止時の心肺蘇生を望むかどうか

2-2. 延命処置に対する考え方

延命処置を**「できる限り受けたい」と考える方もいれば、「延命装置は望まない」**という方もいます。どちらが正解というわけではなく、自分の価値観や人生観に基づいて判断することが大切です。
エンディングノートやリビングウィルの形で意思表示を残しておけば、医療従事者や家族があなたの意向に沿った対応をしやすくなります。


3. エンディングノートで明確にしておきたい介護方針

介護方針」を示すインフォグラフィック。在宅介護(家族の負担を考慮した介護方法)、施設介護(多様な施設から選択する介護方法)、介護サービス(利用可能な介護サービスの種類)の3つのカテゴリーが色分けされて表示されている。

3-1. 在宅介護か施設介護か

介護が必要になったとき、在宅介護にするか施設介護にするかは大きなポイントです。

  • 在宅介護
    • 家族への負担を考えながら、訪問看護やデイサービスなどを組み合わせる
    • 親しい人たちに囲まれて生活できるが、家族の協力が必要
  • 施設介護
    • 有料老人ホームや特別養護老人ホームなど、多様な施設から選択
    • 費用やサービス内容を比較検討する必要がある

エンディングノートには、**「在宅介護を希望する場合はどの程度まで」「施設介護を選ぶならこの地域を希望」**など、できるだけ具体的に記しましょう。

3-2. 介護サービスの選択肢

介護方針を固めるうえで、利用するサービスの種類を知っておくと安心です。

  • 訪問介護(ヘルパー派遣)
  • デイサービス(昼間だけ施設を利用)
  • ショートステイ(短期入所)
  • グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム など

エンディングノートには、希望するサービスの種類や予算感を大まかに書いておくと、家族がスムーズに検討できます。


4. 具体的な記入例:医療・介護編

以下に、エンディングノートのサンプル記入例を紹介します。あくまで一例なので、ご自身の価値観に合わせてアレンジしてください。

【医療・延命処置】

  • 終末期になった場合、過度な延命処置(人工呼吸器、胃ろうなど)は望みません。
  • 心肺停止状態になった際は、心肺蘇生術は行わず、自然な形で旅立ちたいです。

【リビングウィルに関する意思表示】

  • 痛みをできるだけ軽減する緩和ケアを優先してください。
  • 最終的には自分の意思が尊重されるよう、主治医や家族にお願いしたいです。

【介護方針】

  • できる限り自宅で家族と過ごしたいですが、家族に大きな負担がかかるようなら施設介護も検討してください。
  • 在宅介護の場合は、ヘルパーや訪問看護サービスを積極的に利用してほしいです。

5. エンディングノート作成時の注意点

エンディングノートの重要な考慮事項」を示すインフォグラフィック。法的効力(エンディングノートは法的拘束力を持たない)、共有(家族や医療関係者と共有することが重要)、定期的な見直し(定期的な更新が必要)の3つのポイントが図示されている。

5-1. 法的効力はない

エンディングノートやリビングウィルには法的拘束力がありません。
相続や遺産分割など、法的に確実にしておきたい部分は公正証書遺言などの正規の手続きで対応しましょう。

5-2. 家族・医療関係者と共有する

エンディングノートを作っても、家族や主治医が内容を知らなければ意味がありません。
完成したらしまい込まず、信頼できる家族や主治医にしっかり共有することが大切です。

5-3. 定期的に見直す

健康状態や家族構成、利用できる介護サービスは、年月とともに変化します。
エンディングノートの内容を年に一度くらいは見直し、最新の意向を反映しましょう。


6. まとめ:自分らしい最期を迎えるために

エンディングノートにおける医療・介護の希望は、家族や周囲がいざというときに迷わず行動できるための大切な指針です。

  • 延命処置やリビングウィル、介護サービスなど、事前に考えを整理しておく
  • 自分の意思をノートに残し、家族や医療従事者と共有する
  • 定期的に内容を見直し、最新の考えを反映する

これらを実践することで、自分らしい最期を迎えやすくなるだけでなく、家族の負担や不安も大きく減らせます

「エンディングノート 医療 介護」という視点を取り入れて、あなたらしい人生の最終章を準備してみませんか?


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