1. はじめに
「実家のお墓が遠くて管理が難しい」「継承者がいなくなり無縁墓になるのが心配」などの理由で、**改葬(かいそう/お墓を移すこと)や墓じまい(既存のお墓を撤去すること)**を考える人が増えています。
しかし、改葬や墓じまいには役所手続き・改葬許可証の取得・費用負担など、いくつかのステップが必要です。この記事では、スムーズに進めるための流れや注意点を詳しく解説します。

2. 改葬・墓じまいとは?
- 改葬(かいそう) → お墓を別の場所へ移すこと(例:自宅近くの霊園に移転)
- 墓じまい → お墓を撤去し、遺骨を納骨堂などに移すこと(お墓自体をなくす)
どちらも適切な手続きを行わないと、トラブルの原因になることがあるため、正しい流れを理解することが大切です。
3. 改葬・墓じまいの流れ(役所手続きから完了まで)
① 現在のお墓の管理者に相談する

まずは、現在のお墓がある寺院や霊園の管理者に相談しましょう。
> 確認ポイント
- 墓じまいや改葬が可能か?
- 離檀料(りだんりょう/お寺から離れる際の謝礼)が必要か?
- 改葬後の供養の仕方(納骨堂・合祀墓など)をどうするか?
>> トラブル回避のヒント
「勝手にお墓を撤去した」とトラブルにならないよう、管理者の了承を得ることが重要です。
② 改葬許可証を取得する(役所手続き)
改葬を行うには、市区町村の役所で「改葬許可証」を取得する必要があります。

> 手続きの流れ
- 現在の霊園・墓地で「埋蔵証明書(遺骨がある証明書)」を発行してもらう
- 新しい納骨先を決めて「受入証明書」を発行してもらう
- 市区町村の役所で「改葬許可申請書」を提出(手数料は無料または数百円)
- 役所で「改葬許可証」を取得
>> トラブル回避のヒント
- 改葬許可証がないと、新しいお墓に納骨できないため、事前に準備を!
- 書類発行には時間がかかるため、早めに動くのがおすすめ。
③ お墓の撤去・遺骨の取り出し(墓じまい工事)
改葬許可証を取得したら、墓じまいの工事を行います。

> 墓じまい工事の流れ
- 石材店に依頼し、お墓を撤去(工事費:約10万~50万円)
- 遺骨を取り出し、洗浄・供養(お寺で供養を依頼することが多い)
- 新しい納骨先へ移動
> 費用相場
- 墓じまい工事 → 10万~50万円(墓の大きさによる)
- 離檀料(お寺に支払うお礼) → 0~30万円(お寺による)
- 新しい納骨堂の費用 → 5万~50万円(合祀墓・個別墓など)
> トラブル回避のヒント
- 工事費用が高額にならないよう、複数の石材店で見積もりを取る
- 離檀料は必ず発生するわけではないため、寺院と交渉可能
④ 新しい納骨先に遺骨を納める(納骨・供養)
最後に、新しいお墓や納骨堂へ遺骨を移動し、供養を行います。

> 納骨の選択肢
- 永代供養墓(お寺や霊園が供養を続けるお墓)
- 納骨堂(屋内施設で遺骨を安置)
- 樹木葬(自然に還る埋葬方法)
- 自宅供養(手元で遺骨を管理)
> トラブル回避のヒント
新しい納骨先によっては、宗派の違いで受け入れが難しいこともあるため、契約前に確認!
4. 改葬・墓じまいのメリットとデメリット

> メリット(良い点)
- 遠方のお墓を近くに移せるため、お参りしやすくなる
- 無縁墓になるリスクを減らせる
- 管理費の負担が減る
> デメリット(注意点)
- 手続きが複雑で時間がかかる
- 工事費や離檀料などの費用が発生する
- お寺とのトラブルが起こる可能性がある
5. まとめ|改葬・墓じまいをスムーズに進めるコツ
改葬や墓じまいは、役所の手続き・工事・供養などが必要なため、早めの準備が大切です。
> お寺や霊園としっかり相談する
> 改葬許可証を取得し、正式な手続きを行う
> 複数の石材店から見積もりを取り、費用を抑える
> 新しい納骨先を事前に決めておく
適切な手順で進めることで、スムーズに改葬・墓じまいを行い、安心できる供養を続けられます。
スムーズな改葬・墓じまいのために、ぜひ参考にしてください!
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「墓じまいとは? 手続きの流れと注意点を分かりやすく解説」という記事で、墓じまいの基本的な手順や注意点を7つのステップで紹介しています。
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「お墓の改葬手順をわかりやすく解説!永代供養墓への墓じまいに」という記事で、改葬の手順や流れを具体的に説明しています。