先祖代々のお墓をどうする?改葬・墓じまいの手続きと注意点


1. はじめに

「実家のお墓が遠くて管理が難しい」「継承者がいなくなり無縁墓になるのが心配」などの理由で、**改葬(かいそう/お墓を移すこと)や墓じまい(既存のお墓を撤去すること)**を考える人が増えています。

しかし、改葬や墓じまいには役所手続き・改葬許可証の取得・費用負担など、いくつかのステップが必要です。この記事では、スムーズに進めるための流れや注意点を詳しく解説します。

改葬と墓じまいのプロセス」を示す図解。現在のお墓の管理者に相談 → 改葬許可証を取得 → お墓を撤去し遺骨を取り出す → 新しい場所に遺骨を納める、という4つのステップがアイコン付きで説明されている。シンプルで視覚的に理解しやすいデザイン。

2. 改葬・墓じまいとは?

  • 改葬(かいそう)お墓を別の場所へ移すこと(例:自宅近くの霊園に移転)
  • 墓じまいお墓を撤去し、遺骨を納骨堂などに移すこと(お墓自体をなくす)

どちらも適切な手続きを行わないと、トラブルの原因になることがあるため、正しい流れを理解することが大切です。


3. 改葬・墓じまいの流れ(役所手続きから完了まで)

① 現在のお墓の管理者に相談する

お墓の管理と改葬プロセスを示した図解。

現在のお墓の管理者に相談する
墓じまいや改葬の可能性を確認する
離檀料の必要性を決定する
改葬後の供養の計画を立てる
管理者の同意を得る
5つのステップを色分けしたパイプラインのデザインで視覚的に表現し、改葬・墓じまいの手続きをわかりやすく解説している。

まずは、現在のお墓がある寺院や霊園の管理者に相談しましょう。

> 確認ポイント

  • 墓じまいや改葬が可能か?
  • 離檀料(りだんりょう/お寺から離れる際の謝礼)が必要か?
  • 改葬後の供養の仕方(納骨堂・合祀墓など)をどうするか?

>> トラブル回避のヒント
「勝手にお墓を撤去した」とトラブルにならないよう、管理者の了承を得ることが重要です。


② 改葬許可証を取得する(役所手続き)

改葬を行うには、市区町村の役所で「改葬許可証」を取得する必要があります。

改葬手続きのナビゲーションを示すステップバイステップのタイムライン図。

現在の霊園・墓地で「埋蔵証明書」を取得
新しい納骨先で「受入証明書」を取得
市区町村の役所に「改葬許可申請書」を提出
市区町村の役所から「改葬許可証」を取得
それぞれの手順が分かりやすく色分けされたアイコン付きで表現されている。

> 手続きの流れ

  1. 現在の霊園・墓地で「埋蔵証明書(遺骨がある証明書)」を発行してもらう
  2. 新しい納骨先を決めて「受入証明書」を発行してもらう
  3. 市区町村の役所で「改葬許可申請書」を提出(手数料は無料または数百円)
  4. 役所で「改葬許可証」を取得

>> トラブル回避のヒント

  • 改葬許可証がないと、新しいお墓に納骨できないため、事前に準備を!
  • 書類発行には時間がかかるため、早めに動くのがおすすめ

③ お墓の撤去・遺骨の取り出し(墓じまい工事)

改葬許可証を取得したら、墓じまいの工事を行います。

墓じまいの手順を示すタイムライン図。

改葬許可証を取得
石材店に依頼
石材店が墓を撤去
遺骨を取り出し、洗浄
新しい納骨先へ移動
各ステップがアイコン付きでシンプルに説明され、墓じまいの流れが視覚的に理解しやすいデザインになっている。

> 墓じまい工事の流れ

  1. 石材店に依頼し、お墓を撤去(工事費:約10万~50万円)
  2. 遺骨を取り出し、洗浄・供養(お寺で供養を依頼することが多い)
  3. 新しい納骨先へ移動

> 費用相場

  • 墓じまい工事 → 10万~50万円(墓の大きさによる)
  • 離檀料(お寺に支払うお礼) → 0~30万円(お寺による)
  • 新しい納骨堂の費用 → 5万~50万円(合祀墓・個別墓など)

> トラブル回避のヒント

  • 工事費用が高額にならないよう、複数の石材店で見積もりを取る
  • 離檀料は必ず発生するわけではないため、寺院と交渉可能

④ 新しい納骨先に遺骨を納める(納骨・供養)

最後に、新しいお墓や納骨堂へ遺骨を移動し、供養を行います

遺骨移転と供養の選択肢を示した図解。

遺骨の移転 → 遺骨を新しい安息の地へ移すプロセス
供養の選択肢を選ぶ → 利用可能な供養方法を検討
永代供養墓 → 寺院や霊園が供養を続ける方法
納骨堂 → 屋内施設で遺骨を安置
樹木葬 → 自然に還る埋葬方法
自宅供養 → 自宅で遺骨を管理する方法
宗派の考慮 → 供養方法を決める前に宗派の違いを考慮
それぞれの選択肢が色分けされ、視覚的にわかりやすいデザインになっている。

> 納骨の選択肢

  • 永代供養墓(お寺や霊園が供養を続けるお墓)
  • 納骨堂(屋内施設で遺骨を安置)
  • 樹木葬(自然に還る埋葬方法)
  • 自宅供養(手元で遺骨を管理)

> トラブル回避のヒント
新しい納骨先によっては、宗派の違いで受け入れが難しいこともあるため、契約前に確認!


4. 改葬・墓じまいのメリットとデメリット

改葬のメリットとデメリットを比較した天秤の図。
メリット(左側)

無縁墓のリスク軽減 → 放置されるお墓を減らせる
管理費の削減 → 維持費を抑えられる
アクセスの向上 → 遠方のお墓を近くに移せる
デメリット(右側)

寺院との潜在的な対立 → 住職との交渉が必要になる場合がある
高額な費用 → 墓じまいや移転にかかるコスト
複雑な手続き → 改葬許可証などの取得が必要
改葬のメリットとデメリットが視覚的に分かりやすいバランスで表現されたデザイン。

> メリット(良い点)

  • 遠方のお墓を近くに移せるため、お参りしやすくなる
  • 無縁墓になるリスクを減らせる
  • 管理費の負担が減る

> デメリット(注意点)

  • 手続きが複雑で時間がかかる
  • 工事費や離檀料などの費用が発生する
  • お寺とのトラブルが起こる可能性がある

5. まとめ|改葬・墓じまいをスムーズに進めるコツ

改葬や墓じまいは、役所の手続き・工事・供養などが必要なため、早めの準備が大切です。

> お寺や霊園としっかり相談する
> 改葬許可証を取得し、正式な手続きを行う
> 複数の石材店から見積もりを取り、費用を抑える
> 新しい納骨先を事前に決めておく

適切な手順で進めることで、スムーズに改葬・墓じまいを行い、安心できる供養を続けられます。

スムーズな改葬・墓じまいのために、ぜひ参考にしてください!


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