「終活をやりたいけれど、何から手をつければいいの?」
そんな疑問をお持ちの方は多いと思います。終活とは、自分らしい最期を迎えるために必要な準備を行うこと。家族や大切な人に迷惑をかけないだけでなく、自分自身が安心して暮らせるようになるのも大きなメリットです。
今回は、初めて終活に取り組む方でも使いやすい「終活 チェックリスト」を作成しました。優先順位や必要書類、確認項目をそれぞれ整理しながら、無理なく進めていきましょう。
1. 終活チェックリストを活用するメリット
- やるべきことが一目でわかる
終活には「生前整理」「遺言書」「相続」「葬儀・お墓」など、多岐にわたるテーマがあります。一つひとつ頭の中で管理していると抜け漏れが発生しがちですが、チェックリストを使えば抜け漏れを防げます。 - モチベーションを維持しやすい
項目を1つクリアするごとに「次もやってみよう」という気持ちを保ちやすくなり、段階的に終活を進めることができます。 - 家族や周りの人と共有しやすい
「自分はここまで終活を進めているよ」「次はこれを一緒に考えたい」という形でリストを見せれば、家族とのコミュニケーションがスムーズに。
2. まず押さえたい5つの基本項目

(1) エンディングノートの準備
- 自分の希望(葬儀、介護、財産管理など)や連絡先、医療情報などをまとめておく
(2) 生前整理
- 自宅の荷物整理や大切な書類の保管場所の明確化
- 写真・思い出の品などの仕分けも含む
(3) 遺言書の作成検討
- 相続を円滑に進めるための重要書類
- 公正証書遺言、自筆証書遺言など種類がある
(4) 葬儀・お墓の希望確認
- 葬儀の規模や形式(家族葬・一般葬)、お墓の種類(永代供養墓、納骨堂、樹木葬)など
(5) 資産や保険の見直し
- 預金口座、不動産、株式などの洗い出し
- 生命保険・医療保険の保障内容が現在の状況に合っているか確認
3. 終活チェックリスト:一覧で確認しよう

以下に、終活全般でやるべきことを一覧にまとめました。すべてを一度にこなす必要はありません。順番にチェックしてみましょう。
項目 | 具体的な確認内容・タスク |
---|---|
1. エンディングノート | ・個人情報、医療・介護の希望、相続・葬儀の希望・家族や親しい人へ伝えたいメッセージ |
2. 生前整理 | ・不要な荷物の処分と物品リスト作成・写真・アルバムのデジタル化や保管場所確認 |
3. 遺言書 | ・遺言書の種類(自筆証書、公正証書)の把握・作成費用と保管方法 |
4. 相続対策 | ・法定相続人の確認・財産分配の希望検討・家族信託や生命保険の活用検討 |
5. 葬儀の希望 | ・葬儀の規模、スタイル(家族葬、直葬等)・葬儀社や互助会の比較 |
6. お墓・納骨先 | ・従来のお墓か、永代供養墓や樹木葬、納骨堂などを検討・親族との相談 |
7. 資産のリスト化 | ・預金口座、株式、不動産、貴金属など・借金やローン、クレジットカード情報も含む |
8. 保険・年金の確認 | ・加入している生命保険・医療保険の見直し・公的年金(国民年金・厚生年金)の受給額チェック |
9. デジタル終活 | ・SNSやメールアカウント、スマホ・PCパスワードの管理・オンラインサービスの解約リスト化 |
10. コミュニケーション | ・家族への共有・専門家(弁護士、税理士、FP)への相談 |
4. 優先順位のつけ方:どこから始めればいい?
すべての項目をいっぺんにやるのは大変ですよね。そこで、優先順位をつけて取り組むとスムーズです。
- 情報整理から着手する
- 「資産のリスト化」「保険・年金の確認」など、現状把握のタスクを先に行う
- どのくらい財産があるのか、保険はどれくらいカバーしているのかを知るだけでも安心感が違います
- 家族に関わる部分を早めに検討する
- 相続や遺言書、葬儀の希望などは家族に大きく影響するため、後回しにしない
- 特に相続については、資産額によっては早めに節税や分割方法を検討したほうが良い場合も
- 自分が一番気になるテーマを先に手掛ける
- 「医療・介護が心配」という人は、まずエンディングノートで希望をまとめたり、ケアプランを調べる
- 「お墓の選択肢をどうしよう」と迷っている人は、霊園や納骨堂のパンフレットを取り寄せるなど具体的に動いてみる
5. 必要書類のまとめ方

エンディングノート
- 市販のノート、もしくは無料テンプレートを活用
- 氏名や生年月日、家族構成、医療・介護の希望、財産リスト、保険・年金情報などを記入
保険証券・年金関連書類
- 加入している保険の証券原本と担当者の連絡先
- 国民年金・厚生年金の記録がわかる「年金定期便」や「年金手帳」
不動産や預金通帳の控え
- 土地や建物の登記簿謄本、賃貸契約書など不動産関連書類
- 銀行・証券会社の通帳やカード、オンライン口座のログイン情報
遺言書・遺産分割協議書(作成済みの場合)
- 遺言書は複数作らないよう注意(古い遺言書があっても最新のものが優先される)
- 公正証書遺言の場合、公証役場の保管証や証人情報も整理しておく
ポイント:
- まとめた書類をファイルやボックスなどに入れ、保管場所を決める。家族や信頼できる人に「どこに保管しているのか」を伝えておくと、いざという時に探す手間が省けます。
6. チェックリストをスムーズに進めるコツ

- 1日にやる作業を小分けにする
- 「今日は資産リストを書き出す」「明日は写真整理をする」というように、タスクを分割すると気が楽になります。
- 家族や友人を巻き込む
- 「ちょっと一緒に書類整理を手伝って」とお願いしてみる
- 終活は1人で抱え込むよりも、話し相手や協力者がいるとスピードアップ。
- 定期的に見直す
- ライフステージの変化(子どもの独立、転職、引越しなど)で必要書類や希望が変わることも。年に一度程度の見直しがおすすめです。
- 専門家を活用する
- 相続税の相談は税理士、保険や資産運用の相談はファイナンシャルプランナー、遺言書作成は弁護士や司法書士など、必要に応じてプロの力を借りると安心できます。
7. まとめ
- 終活 チェックリストを作ることで、やるべき確認項目を一度に把握でき、優先順位をつけながら取り組みやすくなります。
- 「エンディングノート」「生前整理」「遺言書」「葬儀やお墓の希望」「資産リスト化」など、大まかな流れを把握し、最初は気軽なところから始めましょう。
- 必要に応じて専門家や家族の力を借りながら、必要書類を整理し、無理なくコツコツ進めるのがポイントです。
終活は決して「ネガティブ」なものではなく、自分の人生を見つめ直し、家族や大切な人に配慮する素敵な機会でもあります。このチェックリストを活用して、少しずつ前向きに取り組んでみてください。
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アイブレ相続センターのサイトでは、遺言書作成や家族信託、エンディングノートの準備など、終活において必要な項目を網羅したチェックリストを掲載しています。
以上のステップを押さえれば、終活の全体像がしっかり見えてくるはずです。あなたらしい最期を迎えるためにも、ぜひ今日から行動をスタートしてみましょう。