生命保険の見直しポイント:終活目線で考える保障の最適化


1. はじめに

人生のステージが変わると、必要な生命保険(せいめいほけん/万が一のときにお金が支払われる仕組み)も変わります。

「子どもが独立した」「住宅ローンを完済した」「老後の資金を考え始めた」など、終活(人生の終わりに向けて準備すること)を意識し始めると、これまでの保険が不要になったり、逆に新しい保障が必要になることもあります。

本記事では、終活目線で生命保険を見直すポイントについて、初心者にも分かりやすく解説します。


2. 生命保険を見直すべきタイミング

生命保険の考慮事項を示す図。4つのポイントがあり、左から「子どもの独立(子どもが独立したときの保険の必要性を評価する)」、「住宅ローン完済(住宅ローン完済後の保険を見直す)」、「退職計画(退職後の収入変化に基づいて保険を調整する)」、「健康リスクの認識(健康リスクが高まっていると感じたときに医療保険を検討する)」と記載されている。

> 子どもが独立したとき
→ 学費や生活費の負担が減り、高額な保障が不要になることがある。

> 住宅ローンを完済したとき
→ 住宅ローンに付帯していた団体信用生命保険(ーン契約者が亡くなった場合に残債をゼロにする保険)があるなら、重複している保険を見直す。

> 定年退職後の生活を考えたとき
→ 収入が年金のみになるため、生活費の確保を考慮して必要な保障を調整する。

> 病気のリスクが高まると感じたとき
→ 医療保険(入院や手術の費用を補償する保険)や介護保障を検討する。


3. 生命保険の見直しポイント

3-1. 保険金額を適正化する

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保険金額の見直しに関する図。中央に「保険金額を見直すべきか?」と記され、4つの要素が矢印で示されている。左側には「家族の生活費(まだ家族を支えている場合は、保険金額を減らさないことを検討してください)」と「葬儀・相続費用(これらの費用をカバーする必要がある場合は、保険金額を減らさないことを検討してください)」があり、保険の維持を推奨。右側には「遺族年金(遺族年金が生活費を賄える場合は、保険金額を減らすことを考慮してください)」と「不要な費用(不要な保険料を避けるために、保険金額を減らすことを考慮してください)」があり、保険の見直しを推奨している。

若いころは家族の生活を支えるために大きな保険金額が必要でしたが、子どもが独立すると、そこまで高額な保障は不要になります。

> チェックポイント

  • 生活費を支える必要がある家族がいるか?
  • 遺族年金(遺族が受け取れる年金)で生活費はまかなえるか?
  • 葬儀費用や相続対策は必要か?

必要以上に高額な保険に入っていると、毎月の保険料が無駄になるため、適正な額に見直しましょう。


3-2. 収入保障保険(家族の生活費をカバーする保険)の見直し

契約者が亡くなった際の生命保険の見直しについて考える図。左側に人の横顔シルエットがあり、「契約者が亡くなった際の生命保険を見直すべきか?」と記載。右側には2つの選択肢が矢印で示されている。「保険を維持(家族の財政的安全のために重要、特に子どもがまだ依存している場合)」と「保険を削減(子どもが独立している場合や退職後は不要で、財政的負担を軽減できる)」がそれぞれ説明されている。

収入保障保険は、契約者が亡くなった際に、毎月一定額が家族に支払われる保険です。

> 見直しポイント

  • 子どもが独立しているなら、削減を検討
  • 退職後は不要になることが多い

このタイプの保険は、若い世代の家計を守るためのものなので、定年後は不要になることが多く、解約や減額を考えると良いでしょう。


3-3. 終身保険(一生涯保障が続く保険)の活用

終身保険の利点と欠点を比較した図。中央に「VS」と書かれた仕切りがあり、左側に利点、右側に欠点が示されている。利点には「貯蓄代わり(貯蓄機能がある)」、「相続税のメリット(相続税対策に有効)」、「葬儀費用の準備(葬儀費用をカバーできる)」が記載。欠点には「保険料が高い(一般的に掛け金が高額)」、「老後の生活資金への影響(貯蓄や資産運用に影響を与える可能性)」と書かれている。

終身保険は、一生涯にわたって保障が続くため、相続対策や葬儀費用の準備として活用できます。

> 活用ポイント

  • 貯蓄代わりに利用できる(途中で解約すると解約返戻金(払い戻されるお金)がある場合が多い)
  • 相続税対策として使える(一定額まで非課税枠がある)
  • 葬儀費用の準備ができる

しかし、保険料が高いため、老後の生活資金を圧迫しない範囲で活用することが大切です。


3-4. 不要な保障を見極める

年齢やライフステージに合わなくなった保険を見直すことで、毎月の負担を軽減できます。

> 不要になりやすい保険
> 子どもが独立したら学資保険(がくしほけん)は不要
> 住宅ローンを完済したら団体信用生命保険は不要

> 収入が年金のみなら、収入保障保険は不要

無駄な保険を整理して、必要な保障だけを残すことが、終活の観点からも重要です。


4. 生命保険の見直し手順

生命保険の見直し方法を示した案内標識のようなデザインの図。中央に柱があり、4つの方向に矢印が伸びている。左側には「保険内容を確認(契約内容の見直し)」、「不要な保険を解約(無駄な保険料を削減)」と記載。右側には「ライフステージを評価(結婚・子育て・退職などの変化を考慮)」、「新しい保険を検討(必要に応じて適切なプランを選ぶ)」が書かれている。

1 現在の保険内容を確認する
 → 保険証券(契約内容が記載された書類)をチェック

2 現在のライフステージに合っているか判断
 → 家族の状況や収入、老後資金を考慮

3 不要な保険を解約または減額
 → 本当に必要なものだけを残す

4 必要なら新しい保険を検討
 → 終身保険や医療保険を追加する場合も

5 複数の保険会社を比較する
 → 同じ保障内容でも、保険会社によって保険料が異なるため、比較が重要


5. まとめ

生命保険の見直しは、終活の一環として大切な作業です。

> 子どもが独立したら、高額な保険を見直す
> 住宅ローンを完済したら、重複する保険を整理
> 退職後は、不要な保障をカットし、必要な保障だけを残す
> 相続や葬儀費用を考えるなら、終身保険を活用する

生命保険は長年続ける契約だからこそ、定期的な見直しが大切です。ぜひ、自分のライフプランに合わせて最適な保障を選んでください。


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